[木材の達人] | 住まいづくりの情報サイトe-house

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木材の達人「コラム」

木は燃える?

木は燃える材料ですが…
「木材は燃えるから弱そう-」確かに木は燃えます。燃えるからといって、果たしてそれが住まいの構造体として使ったときに弱いものなのでしょうか?
薄い木材であれば、すぐに燃えてしまうことは容易に想像がつきますが、焚き火とかで厚い木を燃やそうとしてもなかなか灰にならなかった経験、ありませんか?
分厚い木を燃やそうとしたとき、表面は焦げて燃えていきます。けれど、燃えた部分が炭となって(「炭化層」といいます)木の内部にまで熱を伝えない、いわば断熱材を形作ること、それと燃焼に必要な酸素の供給を妨げる働きをします。木はもともと熱を伝えにくいこともあり、次第に燃焼スピードが衰え、燃えにくい材となっていきます。一般的な木造住宅で使われる梁や柱は10cm以上の厚みがあり、すぐに燃え尽きてしまうことはありません。
炭化層の形成は燃えを抑える
木材・鉄・アルミニウムの火災による強度低下 (財)日本住宅・木材技術センター)
一方、木材と比較される鉄やアルミニウム。鉄やアルミは調理鍋を想像してもらえば分かるように、熱を伝えやすい性質があります。そのため、いざ熱が伝わると軟化し、急速に強度が低下してしまうのも事実なのです。
もちろん、そのようなことがないように、鉄骨造の構造体は、「耐火被覆(たいかひふく)」といって、熱から守るためのコーティングを行っているのです。
住まいの構造体として大切なことは、火災が起こったときに避難する時間をつくることです。現在の法律では、外壁や屋根、軒裏といった火災に影響を及ぼす部位には不燃材の利用や耐火被覆を行うことを義務付けており(※一部の地域や構造種別によっても異なる)、一概に「木は燃えるから弱い」というものではありません。
火災実験